裏読み、斜読み

今日突如として、首相官邸より「稼働中の浜岡原発4、5号機の停止要請」という発表があった。

何故今更?建造物、プラントの想定以上の事故も想定し、それは「残余のリスク」として切り捨てると決定し、福島第一原発でも20mSV被曝容認という方向性を取りながらの方向転換のように見える。

これと同期して、ホワイトハウスから「報復テロ」として福島第一原発も標的に入っているというような発表もあり非常にきな臭い。


アメリカから仕掛けられた諜報戦なのか、報復テロ回避の一方向なのか、言葉どおりに東海大地震への対策*1なのか正直なところわからない。

ただ二つ言えることがある。

  1. 原子炉が「冷温停止」状態になっても依然冷却が必要なこと。短ければ運転から冷温停止まで24時間から数週間と言われており、更にこの先数年は冷却が必要となる。MOX燃料を使った場合は10年は必要といわれるもの。浜岡原発ではMOX燃料の使用は延期となっているが、燃料プールに既に保管されている状態にある。冷却系が失われれば福島第一の4号機他と同様の事象が発生し得る。
  2. 浜岡原発の4号機の格納容器であるMark I改良型は設計上の欠陥から直下型地震で簡単に壊れると何年も前から指摘されているということ。

地震が来てもテロが来ても最悪だが、更にもっと悪いシナリオが考えられるのは確かだ。

*1:文部科学省地震調査研究推進本部の評価では、30年以内にマグニチュード8程度の東海地震が発生する可能性は87%との発表あり