仕事で徹夜明け、本屋にたちよったら珍しいものを発見。てっきり全集6で終わったかと思っていたので、得した気分。まだ、つんどくモードですが、楽しみです。

ラヴクラフト全集7 (創元推理文庫)

ラヴクラフト全集7 (創元推理文庫)

H.P.Lovecraftというと、おぞましいホラーもの、クトゥルー神話体系の祖というイメージが強くありますが、これだけと勘違いされることが多いようです。H.P.Lの本質は、作品共通のテーマとして根底にある、未知への恐怖(外の世界に対しても、己自身の血に対しても)であり、これを表現するための、「おぞましさ」だったりするのかもしれません。
自分は、H.P.Lのテーマの上に乗っかる小作品が好みですが、初めて読んだ、The Shadow Over Innsmouth(インスマウスの影:全集1収録)は非常にインパクトが強いものでした。これを境界として、H.P.Lの世界に引き込まれるか、それとも合わないかの何れかになるような象徴的な作品のような気もします。

しかし、今の時代、未知の領域への、畏怖の念なんてものはもうこれっぽっちもありません。人間も随分と図太く、厚かましくなったものなんだなぁと。