プルトニウムの食品からの摂取について

気が付くと、厚生労働省より発表が行われていました。放射能汚染された食品の取り扱いについての報道向け資料です。ヨウ素セシウムに続き、ウラン、プルトニウム及び超ウラン元素のアルファ核種の飲食物摂取制限に関する指標が掲載されています。

www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e.html

直接リンクはしません。見たい方は頭にhttp://を付けて参照下さい。これが3月17日にひっそりと発表されていたことに疑問を持ちます。WHO基準も緩んでいるという話もありますが、事故があってから5日の間に何かがあったから動いたと思わざるを得ません。

この混乱状況の中での発表はMOX燃料を使用している福島第一原子力発電所の3号炉、4号炉での事故と被害拡散を想定していると思われます。プルトニウムは重いから拡散しにくいものではあるのでしょうが、爆発的事象がどれだけどんな影響を与えているのかは今のところ不明です。現在の事態はもっと深刻な状況でありながら過小報道を行っているのではないか?という気になってしまいます。

また、国際放射線防護委員会福島第一原発事故に際し、日本に配慮して被曝放射線量の許容値を20倍に引き上げることを日本政府に持ちかける等ということが起こっています。この状況を鑑みると、被曝放射線量に関しては下げようがないから、運用上問題無い様20倍に引き上げたのではないか?という疑いが生まれてきます。

更に、夕方から夜にかけての報道では、プルトニウムによる土壌汚染の調査についてあったりもし、とても嫌な連鎖というか一連の意味があるのではないかと、ここも疑心暗鬼にならざるを得ないような符合性があります。


話はかわって、ふと思い出したのは、『プルトニウム物語−頼れる仲間プルト君−』です。原子力推進の為、動力炉・核燃料開発事業団が制作したアニメーション。プルトニウム飲んでも大丈夫!というちょっと非現実的な話があり、国際的な非難により今では目にすることもできないようですが、凄い内容だったのは未だに覚えています。

因みに、プルトニウムの恐ろしさ、毒性について一番詳しいのはアメリカでしょう。ちょっとばかりダークサイドの話になりますが、広島や長崎に投下した原爆と放射線の影響被害について予測するため、マンハッタン計画の一部ではプルトニウム人体実験が行われていました。例えばプルトニウムを注射するとか、幼児へ与え状況を観察するというものです。またそれ以降もエネルギー省の下で行われたらしいインフォームドコンセントのない被曝実験によって大量の臨床例があるようです。今回のアメリカの事故への判断は多くの実験や人体実験、リスク管理、国民の利益からなっていると思えます。過剰な反応という捉え方もありますが、アメリカの動向は非常に参考になるべきものであると言えるでしょう。

マンハッタン計画―プルトニウム人体実験

マンハッタン計画―プルトニウム人体実験

一般に入手できる参考文献については、牧村しのぶさんの記事id:pinsuke:20090213にあり非常に参考になります。


【おまけ】
こんなものもあります。http://japanese.ruvr.ru/2011/03/25/47985398.html